こんにちは。株式会社ひいらぎ代表の茂呂です。
今日は、放課後等デイサービスについて書きます。
ちょっと長くなりますので、お時間のある時にお読みいただけたらと思います。
ではさっそく。
なんで放課後デイサービス?
弊社では5年前の平成22年、足立区東保木間に初めての児童デイサービスをオープンしました。
当時は、まだ法整備がされておらず、宙ぶらりんな感じでした。
今は未就学児が通う発達支援事業所、就学児が通う放課後等デイサービスとされていますが、当時は、児童デイサービスI型・II型という名前でした。
弊社では就学児が通う児童デイサービスII型でオープンしました。
そして、そこから2施設展開してきました。
今年度も1施設オープン予定ですので合計で4施設になる予定です。
弊社が児童デイサービス分野へ参入したきっかけまでお話しすると小説くらいの長さになってしまうので、今日はそのあたりは軽くにしておきます。
単純に、収益事業を増やすためにというよりは、当時、バス停で児童を待っている親御さんの中に、弊社のヘルパーが待機しているということが多くありました。
所謂、移動支援のスタート地点が学校から帰ってくるバス停ってことです。
子供たちが放課後に過ごす場がないため、共働きの家庭などは、帰宅が早い特別支援学校に通っていると、仕事が出来ないなどの理由もあり、帰宅後に移動支援を利用する方が多かったんですね。
で、あるとき待機していた大人がすべて弊社のヘルパーということに・・・
これはなんとかならんのかいな?
と考え出したのがきっかけでした。
こんなにも障がいを持ったがために、放課後の活動が制限されてしまっている、ということを何とか出来ないのかな?と考えて調べたところ、児童デイサービスII型というものがあると知りました。
(厳密には知っていましたが、ちゃんと調べたという意味です。)
で、就学時の親御さんにちょっとしたアンケートをとったところ、物凄い需要だったので、収益とか関係なしに「やるぞー」という勢いで始めたというのが始まりでした。
弊社が足立区で2番目に出来た児童デイサービスでした。
オープンについて、やりたいことを盛り込みすぎたので、指定申請時には紆余曲折ありましたが、無事指定が取れて、オープンしたという感じです。
で、その2年後。平成24年4月に、児童に係る法改正がされました。
それまで、障がい児というのは、児童福祉法からは(障がい者を除く)、障害者福祉法では(児童を除く)と、なんと両方の法律のはざまにいたんですね。
それが、しっかりと児童福祉法に入り、予算枠もしっかりとして、放課後等デイサービスが出来ました。
実は、このころから多くのことを言われるようになってきました。
はい。ここからが本題になります。
放課後デイサービス戦国時代突入
それまで、児童デイサービスは足立区で言うと5社くらいだったかな?
正確には覚えていないのですが、それくらいでまったくもって供給が追い付かない状況でした。
やはり、親御さんからすると、今までなかった放課後に過ごせる場が出来たというのは画期的で、申し込みが殺到したことを覚えています。
これが、24年の法改正とともに、報酬が良いビジネスモデル。
儲かる事業として大々的に知られていきました。
船井総研が目を付けたあたりから一気に広がったんではないかなと思っています。
「発達障害児バブル」とか言って展開するフランチャイズも出てくる始末でした。
でしたというか、今もあると思いますが・・・
どこだったか、うちにも営業資料がきたので取っておいたのですが、どこかに行ってしまいました(笑)
実は、報酬単価はそれほど以前とほとんど変わっていません。
が、そのように儲かるビジネスモデルとして広まったので、かなり他業種からの参入もあったり、更なる法整備が間に合わないほどに一気に事業所数が増えていきました。
高齢者デイサービスのように、ある程度一定のルールがないままだったため、何でもありの、放課後デイサービス戦国時代の突入となったわけです。
色々な種類があっていいよね~^^
ルールが先か、増えるのが先か。
そんな議論がなされたのかどうかは知りませんが、やはりある程度一定のルールっていうのは必要だったかもしれないとして、ガイドラインが平成27年に出されましたが、増える速度のほうが早かったというのが今のところでしょうか。
東京都足立区と埼玉県草加市では増加傾向が似ているのですが、平成27年8月現在で共に30施設を超える数になりました。
多い自治体だと、札幌市で200を超えているとか・・・
そんな感じで、2年間で急激に増加していく放課後等デイサービスですが、各事業所によって取り組みが様々です。
学習塾、スポーツクラブ、発達支援、パソコン教室、絵画教室、乗馬教室。。
知る限り様々な放課後等デイサービスが出来ました。
また、運営方法も様々で、送迎をしているところもあれば、自主通所を義務付けているところもあり、同じ福祉サービスとは思えないくらい様々なサービスが出来ました。
これは、各法人、各事業所、想いがあって行っていることですので、僕がとやかく言う問題でもないと思いますし、双方の意見があると思いますので、「選べるようになって良かったんじゃないかな。」と純粋に思うわけです。
結局のところ、放課後にどのようなことが望まれているのか?っていうのは、障がいの有無に限らず、様々な需要ってあるわけですから、それに沿ったものが出来れば良いのかなって思いますしね。
こんな記事もあります。
放課後に何がしたいですか~?
っていう内容なんですが、まあ、当然様々ですよね。
で、様々出来すぎてしまったので、それぞれの想いがぶつかって、戦争みたいになっちゃってるところもありますけど、僕個人の意見としては、もっともっと色々な放課後等デイサービスが出来れば良いと思うし、まだまだ受容と供給のバランスで言うと、自由に選べるかといったら、そうではないので、もっと増えたら良いと思います。
法整備はある程度必要だと思いますが、僕の正直な意見です。
営業時間に関しては、一定の基準が必要だと思いますけどね。
放課後等デイサービスは1日1人いくらという報酬設定になっているので、1秒通っても3時間通っても報酬が一緒っていう謎な感じですから。
↑これ、以前ためしに行った儲かる放課後デイサービスセミナーで、講師が本当に言っていた言葉です。
なので、出来る限り短くすれば人件費が少なく済みますって言っていましたよ(笑)
そこでコンサルされてオープンしたところって・・・恐ろしい。。。
ってことで、時間単価にするべきと僕は個人的には言い続けています。
でも、そんなに増えたらサービスの質が・・・
やっぱり、サービスの質っていうのは一定以上確保していないと、福祉サービスとしては破綻してしまうと思うんですよ。
やっぱり税金を使うわけですし、需要と供給のバランスが取れていない今、ルール無視のところというよりは、人員の問題っていうのが多く言われるようになってきていますよね。
で、そこは東京都足立区。
流石と言う感じなのですが、事業所の質を向上するために、発達支援機関連絡協議会(通称こども部会)という会が、ずいぶん前から開かれています。
弊社としては、設立の年、平成22年から参加させてもらっていますが、この会も平成27年現在、30事業所を超える登録数となりました。
発達支援機関連絡協議会って?
自立支援協議会から枝分かれした各分野専門的な部会が複数あるうちの一つなのですが、他区では設置されていないところがある中、足立区は古くから質の向上ということを、うめだ・あけぼの学園の加藤園長始め、取り組みをされていました。
その結果、しっかりとした部会が児童福祉法改正前から行われていたんですね。
これって、さらっと書いていますが、すばらしいことなんですよ。
サービス事業者が自主的に(自立支援協議会は福祉計画上義務的ですが)各自の事業所の質の向上を!と銘打って勉強会を開催したり、他業種交流をしたりしているんですね。
埼玉県草加市でも、昨年に第一回が開催されるなど、各自治体も取り組み始めたっていう感じです。
そこで、足立区は、ずいぶん前からっていうのがさすがです。
さすがは置いておいて、部会に参加しない事業所が出始めているのが少し気になっていますが、それは後々分析するとして、そこでやっぱり、職員の質を向上させたいよねってことで事例検討会などが企画されているんです。
昨日も丁度こども部会の実行委員会の集まりがあって、12月に開催される他業種交流全大会の打ち合わせだったんですが、議論が熱すぎて、結局お開きが21時過ぎ(^_^)v
18時過ぎに集まってですよ。
そんなことが繰り広げられているわけです。
すべては子供たちのために。
あ、ここも話すと僕も熱くなって長くなりそうなので別の機会に(笑)
そんなこんなで、足立区こども部会としては、色々な勉強会を開催したり、事例検討会を開催したり、他業種交流会を開催したりしておりました。
で、更なる研修制度を創ろうと、より専門的に学べる場を創ろうと、うめだ・あけぼの学園の加藤園長を発起人として研修が出来ました。
地域の発達支援力向上研修
スキャン画像なので、ちょっとしわが気になりますが・・・
様々なサービスが出来るのは、上記しました通り、僕個人の意見としては賛成で、色々なサービスが出来て選択できるようになったら良いと思っています。
ハッキリって、現時点で他施設批判をしているところってサービスで勝負できないしょぼいところじゃないですか(笑)
良質なサービスを打ち出して、競合していかないと業界の健全化なんて起きませんからね。
という僕も批判になってしまうので、これくらいで(笑)
でも、まだまだ足りないって思っているのは事実で、本当に選べる時代にならないといけないなって思っているのは、上記しましたとおり、僕個人とはしては思っているわけです。
が、やっぱり職員の質の向上、障がいの理解というのはかなりの開きが出てしまっているのは事実です。
記事では足立区の事業所代表の方がコメントしていますが、まさにおっしゃる通りで、障がいの特性を理解しないまま現場に出てしまっている職員がいるのも事実です。
記事では施設批判になってしまっているので、若干僕の意見とは異なりますが、僕が思う職員の質っていうのは、介護と発達支援の区分けが出来ていないからだと思っています。
正直、施設批判になってしまうとお互いの正義の話なので、一生交差することはないと思いますが、職員の資格というところにフォーカスするとわかりやすいんではないかと思いますので、お話しさせていただきます。
放課後等デイサービスで必要とされている資格は、保育士、介護福祉士、児童発達指導員、介護職員初任者研修。
もっというと、無資格OK。
完全に、ここが問題だと僕は思っています。
だって、全部の資格を理解されている人がどれほどいるかわかりませんが、介護福祉士の試験問題で、どれだけ発達支援分野が出るか知っていますか?
もっというと、障がい者の問題がどれほど出るか知っていますか?
介護職員初任者研修の教科書に発達支援の話がどれほど載っているか知っていますか?
保育士の学校で障がい児についてどれほど学びますか?
何が言いたいのかと申しますと、発達支援は「勝手に学べ。」というのが、現行の資格制度なんです。
ありえますか?
なので、足立区ではこども部会を設立して、各事業所が勉強をしていたわけです。
でも、それだけで足りると思いますか?
介護職員初任者研修(ヘルパー2級)がどれだけ学校に通う資格か、ご存知ですか?
費用はいくらかかるかご存知ですか?
なぜ、介護にはそれだけの必須の知識があるのに発達支援にはないの?
おかしくないですか?
であれば、作ろうよ。
で、作りました。
ドン。
全10回でたったの30.000円という利益度外視の講座を作りました。
だって、誰かがやらないとダメですし、必ず必要になると思うんですよ。
確かに、国は人員配置基準として、発達支援管理責任者を置きなさいと言っています。
でも、残念なことに、この発達支援管理責任者の資格要件と言うのも、上記の資格だったりするわけです。
たしかに、発達支援管理責任者講習で多少の専門的な内容は学びます。
でも、管理責任者講習にも関わらず、初歩的なことが多いのも事実。
であれば、OJTって誰が指導するのよ?ってことになるわけです。
だって、子供たちのために、本当に良いであろうサービスを提案したいのに、専門的な知識がある人が配置基準にないんですよ。
それってどうなの?
ってことです。
指導する人がいなければOJTなんて成り立たないわけですよ。
なので、地域の発達支援力向上研修では、このOJTで指導する側の人を育てよう。
専門的な知識を施設に持って帰ってもらって、しっかりと未来を担う職員を育ててほしいんです。
そのために、受講しやすい価格にしました。
そのため、利益なんかまったくなく、講師でお越しいただく先生たちにも本当に頭が下がる思いで、「心」だけでお受け頂いたという感謝してもしきれない研修となっているわけです。
そして、将来、この資格は介護職員初任者研修のように、必須の資格になっていくのは間違いないでしょう。
それを足立区から発信できるっていうことが、やっぱり足立区すげーって思いますし、まだまだ、もっともっと、僕も努力して還元していかないといけないなと思うわけです。
一定以上の職員の知識の質が確保できれば、本当に良い時代が来るんじゃないかなって思ったりもするわけです。
だって、児童が放課後に通える先を「安心して」選べる時代になるわけじゃないですか。
なので、まずは足立区から。
(申し込みは9月3日までだったかな・・・。まだ間に合うと思いますので、希望される方は連絡ください。もちろん直接申し込んでも良いですが、連絡いただければ定員が埋まっていてもこじ開けます(笑)
平成27年12月1日
足立区近郊にお住いの子育てに係る方。
是非この日、平成27年12月1日午前10時から12時までの2時間。
気合でスケジュールを空けておいてほしいと思います。
昨日の夜21時まで、足立区の事業所を代表する(呼びかけに応じてくれた)施設で、あーだこーだと議論が熱く交わされていたわけですが、何を話していたのかというと、「未就学から就学へ 子育てに係る他業種連携」と題して足立区役所大ホールで400人(最高収容人数)集めて、様々な業種の子育てに係る人をパネラーとして、現在の他業種連携の問題点っていう感じでパネルディスカッションをしようという、そんな壮大なプロジェクトです。
ここの部分って個々の業種では問題点を洗い出して、様々な取り組みをしているんですけど、連携ってどれほど出来ているのよ?
っていうことなんです。
それほど出来ていないっていうのが現状なわけですが、どこの分野でもわかっているけど、ちょっと踏み込めないところだったりするわけです。
なので、発信していこうと。
発達支援分野から。
パネラーによっては、ちょっと発達支援よりの内容になってしまうかもしれませんが、テーマとしては子育てということになりますので、分野問わず
子育てに興味のある方は、是非スケジュールを空けておいてくださいね。
具体的な内容は、これから詰めていくところですが、随時報告できたらと思います。
足立区発達支援機関連絡協議会
報告と言えばなんですけど、足立区ではかなり早い段階から発達支援機関連絡協議会が開催されていました。
通称こども部会。
このこども部会ってものすごく良いことをしているんですが、如何せん、発信力がないんですね。
恐らく保護者の方でこういった取り組みが行われていることを知っている人って少ないんじゃないかなと思います。
昨日の討論会でもその話が出ました。
で、こども部会として、どういった発信をしていこうかという取り組みも動き出しました。
たくさんの人に活動を知ってもらって、そういった取り組みをしているところがあるということが、保護者の安心につながり、また、どういった施設が参加していて、お子様が通われている施設がそういったところに参加しているのかとか、参加していてどういった取り組みをしているのか。また、現場にはどういった形で反映されているのかって置いうことをわかったほうが、より施設の理解につながるのではないかと思います。
ですので、そういった発信も今後の展開としては考えていくということになっています。
このブログも多くの保護者の方に読んでいただけてうれしい限りですが、また、体裁が整いましたらしっかりとお知らせさせていただきたいと思います。
色々な団体が動いています。
最後になりますが、今、放課後等デイサービスの質の向上ということを銘打って、色々な団体が動き始めています。
先日、市川先生が理事長のJDDnetの認証事業シンポジウムにも参加してきました。
それは、施設を認証制度、いわゆる第三者評価ですね。
まだまだ、施設を認証するとなると、様々な施設の取り組みがありますから、なかなか難しいという課題が山積みでした。
でも、想いはやはり、良いサービスにしようというものですから、とても良い取り組みだと思います。
そして、今回地域の発達支援力向上研修で講師をしていただけるCDSjapan(http://www.cdsjapan.jp/)の方々。
業界自体が目まぐるしく動いている時代は、まだまだ続くと思っています。
向こう3年間は施設の数も増え続けると僕は予想しています。
その中で、僕たちが今出来ることはなんなのか。
一個人として
一法人として
一部会として
一自治体として
そういったところに向き合いながら、さらに良い未来へ向かっていけたら良いと思っています。
地域の発達支援力向上委員会
代表発起人
うめだ・あけぼの学園 園長 加藤 正仁
うめだ・あけぼの学園HP
発起人
療育室つばさ代表 矢部 弘司
まつりか代表 茂呂史生
ステップ代表 松永 悠
株式会社フォーグリーンHP
関係・協力機関:
全国児童発達支援協議会(CDS・JAPAN)関東ブロック
一般社団法人 全国児童発達支援協議会HP
東京未来大学こどもみらい園
東京未来大学こどもみらい園HP
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