放課後等デイサービスでは「運動療育」を取り入れている施設があります。
それは運動が出来ていない障がい児一定の運動機能を有することが出来るようになるためです。
特に、これから就労の機会があるとしても、ある程度の体を動かす作業が求められることがありますよね。
その作業が出来る最低限の集中力や姿勢の保持が出来ることはとても重要になります。
放課後等デイサービスの施設によっては、この運動療育に対して力を入れている施設・教室が多くあります。
その運動療育とはどんなことを行うものなのかをこちらの記事ではまとめております。
お子さんの発達支援の為に放課後等デイサービスの利用を検討されている方はぜひ参考にされてみてください。
放課後等デイサービスで運動療育は行っている?
放課後等デイサービスでは指導方法や内容は様々ですが、多くの施設で「運動療育」というものを取り入れています。
名前からも想像できるように、運動を通しての療育を行います。
子供の頃から「運動」に親しむことで、心身共に健康になり、必要な筋力・柔軟性・バランス感覚・俊敏さ、という日常生活に必要なことを身に着けていくのです。
「運動のゴールデン期」と言われているのが5歳~12歳です。
神経機能が著しく発達すると言われているこの時期に、基礎となる感覚や視覚、そして身体のバランスを整えることは必要な事です。
ですが、運動が苦手なお子様も少なくありません。。
そんなお子様も楽しめるようなやり方、器具を使い、自分の好きなことを選び、まずは「楽しい」と感じるように工夫してくれます。
運動療育は身体と脳を意識的に動かすことがとても重要なのです。
放課後等デイサービスでは、運動療育の為に、スポーツトレーナーなどの専門性の高い職員が指導している場所もあります。
現在その運動療育にとても力を入れている施設が沢山あるのです。
体を動かす事が好きなお子様、そうでないお子様にも、それぞれに合ったプログラムで運動療育は行われているのです。
運動療育にはどんな効果が期待できる?
発達障害のお子様の中には運動を苦手とするお子様も多く、脳の機能の問題もあり、上手く体を動かすことができないという子が多いのです。
ですが、運動療育を行う事で、体の使い方もだんだんと上手になってくるのです。
ですから運動療育を積極的に行っている施設はとても多いのです。
その理由の一つに「学習」にもつながる理由もあります。
知的障害などの障害のあるお子様は、集中力や注意力などが欠けていて持続するという事が難しい為、学習にも影響があります。
運動することで「脳」に受ける影響に絶大な効果が見られます。
運動は脳が「学ぶ」という態勢に入る為、記憶力や思考力を高めることができるのです。
他にも運動は脳の前頭前野の活性を高めるので、感情をコントロールする部分も刺激され、障害による症状の改善にも効果的なのです。
また、「怪我をしなくなる」という効果も期待できます。
必要な筋力やバランス感覚などを身に着けることは、自分の体を上手にコントロールできるようになり「怪我を防ぐ」という事にも繋がるのです。
「運動療育」とは、技術習得の為というよりは、障害を持つお子様が運動の楽しさを知り、心も体も強くなっていきます。
お子様達の出来ることを引き出し、遊びを通して運動療育を行うことで、満足感や達成感も感じる事ができます。
そして、小さな成功がまた次への自信にもつながるのです。
実施されている運動療育のメニューは?
運動療育のメニューには様々なものがあります。
①ボール運動
ボール運動はお子様にも人気があり、片手で、両手で、時には蹴る、というように相手にボールをパスしたりしながら遊びます
②マット運動
ハイハイやほふく前進などの運動をします。
③リトミック
音楽をかけながら、色々な体の動かし方を学びます。
先生や、お友達の動きを見て動作をマネしながら体を動かします。
④ボルダリング
沢山ある突起部につかまり、足を乗せたり、体のバランス・姿勢を保ちながら登ります。
その他にも、縄跳び・鉄棒・跳び箱・バランスボールなどがあります。
それから現在注目されているのが「スパーク運動療育」というものです。
こちらは、最新の脳科学と発達心理に基づいた運動療育で、「脳の発達や新しい脳神経をつなぐこと」を目的としています。
普段の運動療育より積極的な運動とやり取りで脳機能の特性を補っていきます。
そして、お子さん自らが感覚や感情を調整する力やコミュニケーション能力を高めていくことができるのです。
運動療育を受ける前に確認すべきこと
「運動療育」はお子様の心身を育むために必要な療育です。
療育は誰でも受けられるものではありません。
医師とも相談し、テストなどをしてから療育内容は決まります。
療育を受けるお子様の障害の状態はそれぞれ違いがあり、お子様の状態を御家族に確認し、相談しながら決めています。
例えば、いわゆる「グレーゾーン」のお子様には上でも紹介した「スパーク運動療育」が適切な運動療育といえます。
「グレーゾーン」というのは自閉スペクトラム症や注意欠如、多動症などの特性を持ちながらも診断には至らないケースになります。
グレーゾーンのお子様に必要なのは、的確な早期支援ですので、このスパーク運動療育が効果的になります。
一人一人のお子様に合わせたプログラムを、お子様の「楽しい」を引き出しながら行います。
各教室により、様々な工夫を凝らしているため、お子様のレベルに合わせた療育ができるのです。
ですから、施設を探す時にはお子様の状態に合わせた療育が出来る場所かどうかを確認し、通わせることが大切かと思います。
まとめ
脳と体は連動している為、体を動かすことで脳への働きかけにも変化が出てきます。
運動療育は身体的な機能向上だけではなく、学習に関わる発達の遅れなどにも効果があるということですね。
もしお近くに放課後等デイサービスの施設があるのであれば、運動療育にどれくらい取り入れているのか聞いてみるのも良いですね。
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