放課後等デイサービスに子どもを預けている親御さんが気にかけている悩みベスト3に入るのが、
「子どもが怪我をした場合(事故に遭った場合)どうすればいいのか?」
「子どもが職員や他の児童を怪我させた場合どうすればいいのか?」
ということだと思います。
そこで、実際に怪我や事故が起ってしまった場合、どのようにすればよいのかをまとめました。
過去の事例から解決策を探りましたので、きっと参考になると思います。ぜひ読み進めてください。
放課後等デイサービスは怪我が多い?
まず、そもそも放課後等デイサービスは怪我や事故がよく起るのか?ということで、毎日新聞が独自に行ったアンケート結果を見ていきましょう。
2016年度の都道府県など67の自治体に行ったアンケートによると、少なくとも965件の事故が発生しており、2017年度の統計は途中段階(11月末時点)で、すでに691件と1000件を上回るペースで発生しています。
年々事故に対する認識が変わってきているのか、事業所がいたずらに増えてきていることによるのか、事故の件数は増加傾向にあります。
このデータだけを見ても、放課後等デイサービスでは怪我等を含む事故が多く発生していることが分かると思います。
「そんな怪我等の事故に我が子が巻き込まれたら?」「我が子がもしも加害者側になってしまったら…?」と考えるだけでも不安になりますよね。
ということで、実際に事故が起きてしまった場合の対応などを一例ではありますが、次にまとめましたので参考にしてください。
放課後等デイサービスで怪我・事故が起きてしまった場合の対応
では、実際に放課後等デイサービスに通所している期間で怪我等の事故が起きてしまった場合の対応を見ていきましょう。
お子さんが被害者になったパターン、お子さん同士のトラブルで被害者&加害者になってしまったパターン、万が一お子さんが加害者になってしまい施設職員に怪我を負わせてしまったパターンの3種類でご説明していきます。
子供が怪我をしてしまった場合
まずは、一番可能性として多い『お子さんが怪我等の事故に巻き込まれてしまった場合』を見ていきます。
まず第一に考えられる手段は『お子さんが加入している損害保険を利用する』ということです。
怪我等をカバーしてくれる保険に加入していれば、保険適用となり保険会社が治療などに要した費用を契約に則り補償してくれます。
後述しますが、損害保険の有無にかかわらず、施設側に明らかに責任がある場合は損害補償を請求することも可能です。
また、お子さん自身が加入していなくても、親御さんの保険の特約で治療費等をまかなえる場合もあるので、保険の担当に相談してみたり、約款を再度確認することをおすすめします。
子供同士のトラブルで怪我等をしてしまった場合
このパターンもとても多いのですが、お子さん同士が関わっていく中で「怪我をさせてしまった」「怪我を負わされてしまった」というパターンです。
このパターンはとても難しい事例の様で、弁護士によって見解が変わっているため明言を避けますが、「親御さんの監督責任を問う」という弁護士さんもいれば、「その場に親は居ないため監督責任は施設側にある」という見解の弁護士さんもいらっしゃるようです。
お子さんやご家族同士で加入している保険で解決できる場合もあれば、損害賠償に発展する場合も十分に考えられます。
しかし、害賠償請求などの大問題に発展する裏側には、「被害児童を持つ親御さんの行き場のない怒り」という要因も多分に関係しています。
そのため、互いにいがみ合うことなく穏便に済ませるために、事故当事者になってしまった場合は誠意を持って対応することも必要になってきます。
また、このようなトラブルを事前に避けるためにも、『お子さんの特性を施設にちゃんと伝えて、放課後等デイサービスを活用する上での計画を立てる』などの事前準備を施設側と連携して整えていきましょう。
職員が怪我をしてしまった場合
次は、『お子さんが加害者になってしまい、施設職員が怪我等の事故に遭ってしまった場合』を見ていきましょう。
お仕事をされている方であればピンとくるかもしれませんが、職員は就労中であるため、労災が降りる可能性がとても高い様です。
ボランティアさん等に怪我を負わせてしまった場合は、ボランティアさんがボランティア用の保険に加入していれば、その保険で補償されるようです。
弁護士ドットコムなどの回答を見る限り、職員が怪我をした場合、お子さんや親御さんに対して責任が問われる可能性は低そうです。
そもそも、放課後等デイサービスの設置主体(市町村などの自治体や会社など)は職員が怪我をしないよう安全に配慮する義務があるので、「その義務を怠った」という判断になる様です。
損害賠償に発展することもある
先ほど軽く触れましたが、お子さんが怪我等の事故に遭ってしまった場合で、明らかに施設側に過失がある時は法的な解決策も一つの手段になります。
発達障害の児童を職員室に閉じ込めた結果、パニックになりガラスを割ってしまい怪我をしたという事例では、通院に関連した”通院慰謝料”、後遺症に関連した”後遺症慰謝料”を請求する権利があります。
もちろん、全ての怪我や事故などが職員の過失によって引き起こされたものではありませんが、許されざる明らかな過失が認められる場合は法的手段も有効な様ですね。
まとめ
いろいろと、お子さんが怪我等の事故に遭ってしまった場合や加害者になってしまった場合などの対処法をまとめてきましたが、いかがでしたでしょうか?
過去の事例を振り返えると『子どもの特性を踏まえた計画を施設側と立てることの重要性』『損害保険等への加入の重要性』が読み取れたかと思います。
怪我等の事故は被害者にも加害者にもなりたくないものです。
しかし、事前に計画を立てていてもどうしても避けられない場合もあるのが事実。
そのために損害保険等が存在しているので、活用できるリソースは全て検討しておくことをオススメします。
この記事へのコメントはありません。